RE: ご丁寧な返信ありがとうございました。私はM県のT市に住んでいる者で極真空手を15年間やってきて、一応黒帯をいただいた30男です。
昨年から空手は仕事の関係上辞めましたが、1人で稽古できる物はないかと思っていたところ太気拳の存在を知り、見よう見まねで少しづつ、立禅などを行っています。
年齢とともに衰えてしまう武道に疑問を抱いていた自分には、太気拳は非常に興味深いです。
今月号の月刊秘伝も読ませていただき、大変おもしろかったです。今後のご活躍を期待しております。

A: 極真会で15年,黒帯とのこと。随分頑張られたと思います。
30歳も半ばを超えると,体力的なことと絡み,拳の質を考えるようになります。体力に任せた拳から,体力を超える拳への転換です。みんなここで苦しみます。私もまったく同じでした。いや,今も少し展望が出てきたとはいえ,まったく同じです。弟子の100キロ,120キロの動きをどうコントロールするか,工夫を続ける事こそ武術だと思います。これでいい、と思ったとき武術は消えてしまうと思います。頑張ってください。

練習の具体的な目標をひとつ挙げておきます。
感覚的なことです。空手のけりでローキックを思い出してください。それも,きちっとミートしたけりです。
立禅の中で身体を緩め,その状態を再現してみるのです。イメージの問題ではなく,身体全体の緊張を思い出して再現してみるのです。
特に,首の後ろから背,そしてわき腹を含めた下腹部の緊張。これらをわずかに緊張させ,次に緩める。蹴りの動作で,身体の充実した感覚を引き出すのではなく,静的な状態で身体を見つめ,コントロールし,同じ感覚を引き出してみてください。それによって,その充実した状態を惹き起こすものの本質を探す。それが探り当てられれば,ゆっくりした動きの中でもそれが失わわれないようにする。
これを目標にして練習してみれば,必ず何かが見えてくると思います。そして,今度はそれが何かを必死に考えてみてください。
拳は,決して一人だけでは育てられません。雑誌の中で,島田先生の言ったとおりです。然し,たった一人で苦しむことを抜きにしては,やはり,拳は育ちません。拳は,一人一人の中で育つそれぞれの命だと思います。
一番になるより,自分にしかできない「拳」を育てあげたいものです。
いつか,お会いできるといいですね。
                         太氣会  天野

2001.09.18